本記事では、glancesコマンドで表示される表記・数値の見方を解説します。
glances とは
サーバのCPUやメモリの状況を確認する場合、topコマンドを使用されることが多いと思います。
glancesは、topの機能に加えて、ディスクI/O、ネットワークI/O、センサー情報、ファイルシステムの使用状況など、より詳細な情報を提供します!
先ずは以下にtopとglancesのそれぞれの利点です。
■ほとんどすべてのLinuxディストリビューションにデフォルトでインストールされている。
■簡単に使い始めることができ、システムの基本的なパフォーマンスを素早く把握することができる。
■より詳細なシステム情報を提供する。
■これには、ディスクI/O、ネットワークI/O、センサー情報、ファイルシステムの使用状況などが含まれます。
■色分けされたグラフィカルなインターフェースがあり、一目でシステムの状態を把握することができます。
■クロスプラットフォーム対応しており、Linuxだけでなく、WindowsやMacなどでも利用できます。
■Web UIやREST APIを通じてのリモートモニタリングが可能。
したがって、glancesはtopよりも多機能で視覚的にわかりやすく、また様々なプラットフォームで使うことができます。
ただし、必要な情報がCPUやメモリ使用状況など基本的なものに限られ、かつ速やかにシステムの状態を確認したい場合には、topコマンドでも十分な場合があります。
glancesインストール
使用するにはインストールが必要です。
glancesはPythonベースのクロスプラットフォームのシステムモニタリングツールなので、glancesをインストールするのにpythonをインストールする必要があります。
pythonにインストール方法は、例えばLinux(CentOs)の場合は、以下となります。
sudo yum update
sudo yum install python3
python3 --version
バージョン確認して、問題無く表示されていればインストールOkです。
確認したいサーバ内にglancesをインストールします。
pip install glances
※環境に応じて異なる可能性があります。
インストールが成功したら、以下のコマンドでGlancesを起動できます。
glances
コマンドを実行した後の表示される表記の見方を1つ1つ紹介します!
表記・数値の見方
glances を起動すると以下の画面が表示されます!
Glancesの出力は多くの情報を提供します。
上部と下部に分けて、各項目を説明していきます。
①ホスト名、オペレーティングシステムのバージョン、カーネルのバージョン
②システムが起動してからの経過時間(アップタイム)を表示しています
③CPUの使用率のメータ表示
④メモリの使用率のメータ表示
⑤スワップの使用率のメータ表示
⑥CPUコアの平均使用率をパーセンテージで表示しています
⑦ユーザーレベルのアプリケーションが使用するCPUの割合
⑧カーネル(システム)レベルで使用されるCPUの割合
⑨CPUが何も処理していない(アイドル状態)割合
⑩ユーザーレベルのnice(優先度)で実行されるプロセスが使用するCPUの割合
⑪割り込み要求(ハードウェアからの信号)に対応するために使用されるCPUの割合
⑫入出力操作の完了を待っているCPUの割合
⑬仮想環境で、他のゲストOSにCPU時間が奪われた割合
⑭全体のメモリに対する使用中のメモリの割合をパーセンテージで表示しています
⑮システムに搭載されている物理メモリの総量
⑯使用中の物理メモリの量
⑰利用可能な物理メモリの量
⑱現在アクティブに使用されているメモリの量
⑲現在は使用されていないが、すぐに再利用可能なメモリの量
⑳ファイルシステムメタデータ用に使用されるメモリの量
㉑頻繁に使用されるファイルを高速にアクセスするために使用されるメモリの量
㉒全体のスワップに対する使用中のスワップの割合をパーセンテージで表示しています
㉓システムの全スワップ領域の総量
㉔使用中のスワップ領域の量
㉕利用可能なスワップ領域の量
㉖システムの負荷平均(ロードアベレージ)。指定の期間におけるシステムの平均的な負荷を示しています。ここでの "2-core" は、システムがデュアルコア(2コア)であることを示しています。
㉗過去1分間の平均負荷
㉘過去5分間の平均負荷
㉙過去15分間の平均負荷
①NETWORK Rx/s は、ネットワークの受信速度を表示しています
②Tx/sは、ネットワークの送信速度を表示しています
③④ここでの "eth0" と "lo" はネットワークインターフェースを示しています
③"eth0" は主要なEthernet接続
④"lo" はローカルループバックインターフェースを表しています
⑤TASKS 87 (149 thr), 1 run, 86 slp, 0 oth: システム上で実行中のプロセス(タスク)の状態を表示しています
87 (149 thr): 実行中のプロセス数が 87、スレッド数が149です
1 run: 実行状態にあるプロセスの数
86 slp: スリープ状態にあるプロセスの数
0 oth: その他の状態にあるプロセスの数
⑥⑦DISK I/O R/s W/s: ディスクの読み取りと書き込み速度
⑥(R/s)は読み取り速度
⑦(W/s) は書き込み速度
⑧"vda" はディスクドライブを指しています
⑨~⑳CPU%, MEM%, VIRT, RES, PID, USER, NI, S, TIME+, IOR/s, IOW/s, Command: 各プロセスの情報を表示します
⑨プロセスが使用するCPUのパーセンテージ
⑩プロセスが使用するメモリのパーセンテージ
⑪プロセスによって使用される仮想メモリの量
⑫プロセスが実際に使用している物理メモリ(Resident Set Size)の量
⑬プロセスID
⑭プロセスを実行するユーザー名
⑮プロセスのnice値(優先度)
⑯プロセスの状態。Rは実行中、Sはスリープ中を表します
⑰プロセスがCPUを消費した合計時間
⑱プロセスによる毎秒の読み込みデータ量
⑲プロセスによる毎秒の書き込みデータ量
⑳実行中のコマンドライン
以上がGlancesの出力項目とその説明です。
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